はじめに、この度の東日本大震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。当社も仙台支社があり地震による被害を受けましたが、幸いにして軽微な物的損害のみでした。現在も東北地区での復興の状況については業務やその他の機会を通じて接しておりますが、依然として厳しいものがあると認識しております。被災地の方々がなるべく早く良い形で日常生活を取り戻されることを、役職員一同心より願っております。
当社の最近の状況を振り返りますと、2006年秋にデジタルガレージ(DG)が当社に資本参加して5年弱、創芸からDGコミュニケーションズに社名変更してから3年弱、MBOにより新しい経営体制で事業をリスタートしてから2年が経ちます。
この間の世界経済や日本国内での諸環境の変化は、今回の東日本大震災による影響に限らず、短期間に次々目まぐるしいものがありました。これらの時期を、私どもなりに精一杯考えながら進めてきた施策等の足取りを振り返ることにします
2008年のリーマンショックが経済退潮を更に悪化させる要因となり、それ以前から悪い予兆のあった不動産・金融業界の環境変化により、当社は多くの取引先企業の経営破綻という形で甚大な影響を受けました。
そのような厳しい環境下、2009年6月以降の経営新体制においては、主力事業である不動産広告の分野において下記の方針で臨みました。
・既存のアカウント取引でのクライアントとの関係強化(より深く)と、マンションDBでのクライアント対応や掲載物件の全方位展開(より幅広く)の、両施策の推進
・個別の業務案件での、提案価値の確保と効果的原価管理の両立
・本支社のオフィス移転による家賃低減など、一般管理費各項目の見直しによるシンプルでスリムな事業運営
これらの施策により、MBO以降は月次での上下要因はあるものの、概ね3ヶ月単位の四半期ベースでは収益体質の定着を進めることができました。
2009年度については、MBO以前の4-6月期において、リーマンショックの余波による営業損失が響き通期では営業赤字に終わりましたが、MBO以降の9ヶ月に限れば営業黒字化を実現していました。
また、本年3月期の2010年度決算においては、3月後半に東日本大震災での影響要因があったものの、些少ながら通期で営業利益を計上することができました。
さらに、4月からの新年度においては、震災復興途上の東北地区での業務状況は厳しいですが、全社ベースではようやく前年同月比で売上が下げ止まり、若干ではありますが増収トレンドとなっております。
これもひとえに日常の提案業務でご協力くださるパートナー企業の皆様や、我々の提案や業務を評価いただくクライアント企業の皆様のおかげであります。
この場を借りて御礼申し上げます。
このような業績の回復を当社として確実なものとして推進・実現するために、昨年秋、本社を20年ぶりに銀座に移転しました。また、同タイミングで会社が目指すべき企業ビジョンなどを社内で共有するための「クレド」を小冊子にまとめて全社員で共有いたしました。クレドに関しては基本的には社内向けのものですので一部のみのご紹介とさせていただきますが、当社の目指すべき企業ビジョンとして、
「商品(企業)と世の中(消費者)との幸福な出会いを創造する」
という夢を掲げ、我々はその出会いを演出する”HAPPINESS COMMUNICATOR”となる目標を設定しました。
また、役職員が備えるべき能力・姿勢として
「やりぬく力」 「正しい誠実さ」 「不断の向上心」 「活発なコミュニケーション」
の4つをアビリティとして掲げ、そのような力をつけることを日頃から心がけるように社内に継続的に呼びかけております。
最後に、現状から将来に向けて当社が進むべき方向についてどのように考えているかについて、少しお話をさせて頂きたいと思います。
人口動態の将来予想等のデータを踏まえると、不動産領域では住まいの提供形態が多様化・複線化していくことは間違いないことと予想されます。そのような環境下において、当社は従来からの経験・知見の蓄積を活かしつつ、新たな領域でのチャレンジを進めていく必要があります。
具体的にはこれから新しいプロモーション企画やマーケティング提案の中で実現に向けた動きをとっていきますが、エリアマーケットへのきめ細かいアプローチと、その施策において今まで以上に高い費用対効果の実現が大きなテーマとなると考えています。
これらの課題を実現するために、引き続き当社株式の10%を所有するパートナー企業であるデジタルガレージ(DG)との協業は大きなチャンスになります。
DGは昨年来、世界の様々なソーシャルメディア事業との、連携と事業育成を成長戦略の中心に据えており、DGが今後展開するであろう新しいソーシャルメディアとの連携やその活用は新しい住まいのあり方に大きな変化を与える可能性があると考えています。
また、ポータルサイトのマンションDBを共同事業として運営する株式会社カカクコムとの協業も更に進めたいと考えております。これらの協業展開により、より幅広い不動産領域全般での広告・マーケティングサービスを提供できる事業会社となっていくことが当社の企業力強化に繋がると考えております。
今後も皆様におかれましては当社の業務へのご協力を引き続きお願いするとともに、より一層のご指導・ご鞭撻をいただければ幸いです。
2011年7月
株式会社 DGコミュニケーションズ
代表取締役社長 枝澤 秀雄